プレスリリース

日進市で災害時を見据えたドローン物流の実証実験を実施


日進市で災害時を見据えたドローン物流の実証実験を実施

愛知県日進市(市長:近藤 裕貴)、株式会社NEXT DELIVERY(本社:山梨県小菅村、代表取締役:田路 圭輔、以下NEXT DELIVERY)、BOLDLY株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社⻑ 兼 CEO:佐治 友基、以下BOLDLY)および中部大学(愛知県春日井市)は、2023年12月3日に、「愛知県日進市における災害時を見据えたドローン物流実証実験」を実施しました。名古屋商科大学(愛知県日進市米野木町)にて出発式を行い、出発式から実証実験を報道関係者に公開しました。

この実証実験は、愛知県のスマートシティモデル事業として、災害時にドローンで物資を輸送する際の飛行ルートの検討や社会受容性の向上を目的として実施しました。また、NEXT DELIVERYとBOLDLYが連携して、日進市が既に導入している自動運転バスの運行管理システムとして用いられている「Dispatcher(ディスパッチャー)」(提供:BOLDLY)にドローンの運航情報を接続することで、「Dispatcher」上で自動運転バスとドローンを一元的に管理することの有効性を検証しました。

実証実験について

背景と目的

日進市は、愛知県のほぼ中央部である尾張と三河の境に位置し、市中央部には南北を分断する河川(天白川など)が東西に流れています。名古屋市と豊田市に挟まれる日進市は、高度経済成長期であった昭和40年以降、住宅開発が進みました。その後、市の南部における鉄道路線の開通を契機にさらに発展し、全国的に人口減少時代を迎えた今日も人口の増加が続き、現在人口が約9万3000人の住宅都市となっています。

自然災害については、近年の大型台風や局地的大雨などにより、天白川の河川氾濫による被害の可能性が高まりつつあります。また、日進市は南海トラフ地震防災対策推進地域に指定されており、ハード・ソフトの両面から、防災に関する取り組みの推進が必要です。

これらを背景に、想定される災害時の孤立問題や急務な物資輸送の解決手段として、災害時を見据えたドローン物流の実証実験を実施しました。実証においては、平常時における住宅地での利用も見据え、住民の理解度向上や、定期飛行に向けた課題の洗い出しも行いました。

実施内容

災害時の孤立問題や急務な物資輸送を想定し、株式会社エアロネクストが開発した物流専用ドローンAirTruck*1を用いて、災害時の天白川の氾濫などにより日進ニュータウンの地域住民が孤立して救護活動が必要になった場合を想定し、日進市総合運動公園から北山ふれあい広場への片道約1.5kmを約3分でAEDを配送しました。

また、BOLDLY が 2022年9月に開発した、「Dispatcher」のドローン向け機能(「Dispatcher for Drone」)により、「Dispatcher」を自動運転バスとドローンの両方に接続して一元的に管理できることを確認し、自動運転バスを導入している日進市において、自動運転バスとドローンの運行管理を一元化することの有効性を検証しました。

当日のDispatcher画面

ドローンで配送されたAEDを北山ふれあい広場で受け取った日進ニュータウン自主防災会会長の刑部雄幸さんは、「この地区は災害時、陸の孤島になりえる。そんな時にAEDや救援物資などがドローンで届くと安心できる。今回、地区の住民と自治体が連携して実施できたのは大きな前進となったと思う。」とコメントしています。

今後も、災害時の物資輸送に加え、買い物が難しい地域住民への飲食物や日用品の配送など、さまざまな場面でのドローンの活用を検討していきます。

以上

(資料)

*1 物流専用ドローン AirTruck

次世代ドローンのテクノロジースタートアップ、株式会社エアロネクストがACSLと共同開発した日本発の量産型物流専用ドローン。株式会社エアロネクスト独自の機体構造設計技術4D GRAVITY®*2により安定飛行を実現。荷物を機体の理想重心付近に最適配置し、荷物水平と上入れ下置きの機構で、物流に最適なユーザビリティ、一方向前進特化・長距離飛行に必要な空力特性を備えた物流用途に特化し開発した「より速く より遠く より安定した」物流専用機。日本では各地の実装地域や実証実験で飛行しトップクラスの飛行実績を持ち、海外ではモンゴルで標高1300m、外気温-15℃という環境下の飛行実績を持つ(2023年11月時点)。

*2 機体構造設計技術4D GRAVITY®

飛行中の姿勢、状態、動作によらないモーターの回転数の均一化や機体の形状・構造に基づく揚力・抗力・機体重心のコントロールなどにより空力特性を最適化することで、安定性・効率性・機動性といった産業用ドローンの基本性能や物流専用ドローンの運搬性能を向上させるエアロネクストが開発した機体構造設計技術。エアロネクストは、この技術を特許化し4D GRAVITY®特許ポートフォリオとして管理している。4D GRAVITY®による基本性能の向上により産業用ドローンの新たな市場、用途での利活用の可能性も広がる。

日進市とは

日進市は、多くの大学や高校が存在する田園学園都市として発展してきました。 西に名古屋市、東にトヨタ自動車の本社があります豊田市、という位置的な好条件もあり、人口が増え続けている街です。日進市役所を中心に、周囲を海抜50メートルから160メートルのなだらかな丘陵地により形成されております。また、市のほぼ中央部を天白川が東西に流れ、その流域の平地には農耕地が広がっております。
近年の全国的に発生している大型台風や局地的大雨等による風水害や、発生が懸念される南海トラフ地震等の巨大地震に備え、災害対策に取り組んでいます。

*詳細についてはこちらをご覧下さい。

株式会社NEXT DELIVERYとは

「人生100年時代の空と陸と時間を繋ぐ4D物流™インフラで、豊かさが隅々まで行き渡る世界へ」をビジョンに、2021年に山梨県小菅村に設立されたドローン配送を主事業とするエアロネクストの子会社。エアロネクストとセイノーHDが共同で開発し展開する、既存物流とドローン物流を繋ぎこんだ新スマート物流のしくみSkyHub®の実質的な企画運営、全国展開を推進しており、ドローン配送に関わるハード及びソフトウェアの開発、製造、販売、レンタル及び保守事業等の周辺事業も展開しています。山梨県小菅村を皮切りに、北海道上士幌町、福井県敦賀市等、地域物流の効率化、活性化に取り組んでいます。

*会社概要はこちらをご覧下さい。

BOLDLY株式会社とは

BOLDLY株式会社は、2016年の設立以来、自動運転技術を活用した持続可能な移動サービスの実現に向けて取り組んでいます。業界のトップランナーとして、これまでに全国各地で約140回の実証実験を行った他、自治体や企業に対する自動運転車両の導入支援・コンサルティングを行い、国内5カ所で自動運転バスの社会実装を実現しました。また、30種類以上のモビリティと接続可能な自動運転車両運行管理プラットフォーム「Dispatcher(ディスパッチャー)」を開発・提供し、自動運転サービスの安全安心な運行に貢献しています。

*会社概要はこちらをご覧ください。

中部大学とは

8学部27学科4専攻が一堂に集まった文理融合のワンキャンパスの特性を活かして、所属学部の専門的な学びは深く、興味ある分野は学部を横断して広く学ぶことができる大学です。優れた研究者、基礎から最先端の研究にまで対応した設備を用いた研究は、高度な専門性と学びを得ながら、社会の発展に貢献できる力を身につけられます。24カ国・地域の59大学・機関と交流し、毎年多くの学生を海外に送り出しています。異なる文化・習慣に触れることで、自己を見つめ直す機会、日本から世界へと視野をグローバルに広げるきっかけとなっています。入学から卒業まで続くキャリア教育では、一人一人の学生の進路が決まるまで徹底サポート。毎年2,000人以上の学生が社会へ飛び立つ状況にある中で、就職率は実に99%以上を誇ります。

*大学概要はこちらをご覧ください。

*エアロネクストおよびエアロネクストのロゴ、NEXT DELIVERY、並びに「4D GRAVITY(R)」「SkyHub(R)」「ドローンデポ(R)」「ドローンスタンド(R)」は、株式会社エアロネクストの商標です。
*その他、このプレスリリースに記載されている会社名および製品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。

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